小野御柱見学フィールドワーク | office_hiroko

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 和光大学A棟816号室を根城にさまざまな活動を展開する山本ひろ子研究室。学内のはみ出し者、山伏、学外から勉強しにきた外人と様々な人種で構成され、いまや一種のアジール(聖域)と化している。毎週一回のゼミの後、夜会と称して山本先生を囲んだ懇談会を開催しており、そこに連れ込まれていつの間にか一員となった者も数多い。ゼミとは別に、有志による勉強会も随時開いている。また学外の学びの場である成城寺小屋講座にも主体的にゼミのメンバーは関わっている。長野県蓼科の山荘や、高知県物部町の「和光大学ものべ荘」、そして鶴川の「岡上ハウス」などの拠点を持ち、日々勉強に邁進する。本HPはそんな山本研の活動の一端を発信すべく2011年5月にリニューアルした。

小野御柱見学フィールドワーク


 2011年5月5日。山本研究室は「宗教思想論1」のフィールドワークとして小野御柱祭を見学するために諏訪へ向かった。以下にそのあらましをご紹介したい。
 早朝7時、皆眠い目をこすりつつ新宿駅に集合。8時に出発するバスに乗り込み、一路長野へ。バスを降りた後は徒歩で駅に向かい、電車を乗り継ぎながら小野へ向う。

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新宿駅にて。

 車中、ちょっとしたトラブルに見舞われる事になる。乗っていた鈍行電車が突然ストップ。何事かと思っていると、やがて車掌のアナウンスが。線路上に入り込んだ鹿をどうやら列車がはねたという。ざわつく一行。ふと一人が窓を開け、おもむろに真下を覗き込んで驚愕した様子。どうやら命を落とした鹿の死体が間近にあったらしい。本当かと窓際に駆け寄る物好きな生徒たち。早くも贄の犠牲がでてしまったか。冗談まじりにそんな声があがる。しばらくしたのち、整備点検を済ませた電車が動き出す。目的地はもう近い。車中で腹ごしらえをした後下車。再び徒歩で神社へ。

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小野神社入り口にて。この日は快晴に恵まれた。

 出店の数も多い。ここで、山本先生や現地講師の方、成城寺小屋講座の”大人組”の集団と合流をはたす。学生たちとあわせると総勢10名以上を越える団体に。そして神社の敷地内にある小野神社資料館を見学。この資料館は一般に無料開放されていて、貴重な地元の文化財が保存されている。見学者同士で感想を述べつつ、時間をかけて鑑賞した。

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小野神社資料館にて展示されていた「唐猫」なるオブジェ。意地悪そうな表情がわれらが研究室の大明神によく似てるとの声が(研究室メンバー紹介を参照)。

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同じく小野神社資料館にて展示されていた「梵鐘(ぼんしょう)」という一品。

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最奥部に展示されていた「さなぎの鉾」。神の依代として使用した神器ではないかという。
 
 そして小野御柱祭のハイライト、御柱立ての見学に突入。その長さは十数メートルにも及ぼうか。細長い木でできた柱の上に4,5人の男が馬乗りになり、地元の男たちによる勇壮な掛け声と、喇叭(らっぱ)隊のファンファーレにあわせて少しずつ立ち上がって行く。そのまわりを数多くの見物人が取り囲む。背後で鳴らされる爆竹におびえていた子どもが、いつのまにか”おんべ”を手真似でふって祭りに参加している姿を目にしたことが印象的であった。

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運搬の様子を写したもの。実に高い。

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まだ横倒しの状態の御柱。

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喇叭(らっぱ)隊のはっぴ。赤文字が遠目にも目立つ。

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御柱にまたがる男たち。最高の境地?

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柱が立つ様子を眺める人々。

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ついに垂直に立ち上がった御柱。周りの木々が邪魔そうである。
 
 やがて完全に柱が立ち上がったところでわれわれの祭りの見学は終了。次は地元講師のイシノ先生に周辺の遺跡めぐりの案内をしてもらうことに。地域住民の人に道を教えてもらいつつ、神社付近に存在する遺跡を探す。ターゲットは古代諏訪で信仰されていたという謎の神ミシャクジを祀った遺跡。イシノ先生によると山と里の際に存在することが多いという。探すこと小一時間、ついにそれらしきものに我々は辿り着いた。 ポツンと石棒が置かれている、うら寂しげな場所であった。

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イシノ先生。ぼくらのカッコいいおじさま。

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遺跡を探索中のわれらが一行。

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”ミシャクジ”と呼ばれる二つの石棒。

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イシノ先生から遺跡の説明を受けるゼミ生たち。

 遺跡めぐりのツアーを終えたところで再び神社へ。今度は神社の神官大祝(おおほうり)の邸宅を外から拝見しようではないかということになる。それらしき家屋を探していたところ、思わぬ遭遇をはたすことになる。地元の祭りの関係者からおんべを買わないかという話をもちかけられたのだ。結構な値段のするものなのだが、特別に安くして三千円で譲るという。それではということで、寺小屋の参加者がひとつ、研究室でひとつ、合計ふたつのおんべを購入した。後者はもちろん山本研究室が集めた祭具棚に収められる予定である。余談になるが、のちにこのおんべをもって地元を走るバスに乗り込んだところ、運転手のかたにどこで購入したのかと尋ねられた。購入した値段を話すと、驚いた様子。普通に買ったら1万を越す金額がするだろうということであった。それを聞き、良い買い物をしたということでわたしたちは深く満足したのであった。

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おんべ購入の交渉の様子。

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おんべを売ってもらった祭りの関係者から、おんべの振り方を教えてもらう。
 
 ここで小野御柱祭の見学で予定されていた行程はつつがなく終了。このあとわれわれ一行は引き続きゼミ合宿に入った。そちらの紹介はまた別の機会に譲るとして、ひとまずここでフィールドワークの紹介を終えたい。 〔文:得田〕



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山本ひろ子先生のプロフィール 山本ひろ子
日本宗教思想史専攻。70年代に生まれた「寺小屋教室」にて、原典購読を中心とした活動を続ける。
山本ひろ子研究室とは? 山本ひろ子
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